ビオトープとは、ドイツ語で生物(bio:ビオ)が成育する場所(top:トープ)を表す合成語です。その地域の野生動植物たちが、自然な生態系で生きている空間を指します。
近年、河川工事ではこれまでのような治水機能一点に重みを置いた工法ではなく、自然環境を保全・創造し、自然と人間の調和・共生を目指した「多自然型川づくり」が行われるようになりました。 また、河川だけではなく、砂防・治山、道路工事にも法面保護に「ジオファイバー工法」などの環境保全工法が採用されています。 これまで、社会基盤整備の名のもと、結果として多くのビオトープを犠牲にしてきた側面がありましたが、環境の時代とも言われるこの21世紀においては、残されたビオトープを守り、回復させること、失われたビオトープを新に創りだすことが私たちの責務であると考えています。
木工沈床は水の流速を遅くする効果があり、アユなどの産卵のために遡上する魚類が河川を遡上しやすくするためのものです。 また河床の洗掘防止の効果もあります。
写真左が淵、右が瀬です。 河川の構造を多様にすることによって魚の休息場所、洪水時の避難場所、餌場などを確保することができます。
巨石張りは護岸としての洗掘防止効果の他、空隙を多く作り出し、隙間の空間に昆虫類の生息を可能にし、また植物の定着を促します。
エコ丸太は防食加工した筒状の金網と椰子袋に現場で伐採した木のチップと土を詰め、丸太状に加工したものを木柵内に積み上げて設置します。 水中部分は、魚類等の隠れ家に、又地上部分は植物定着を促す効果が期待されています。